はぐれうさぎの貯金・投資・節約・読書・ひとりご飯録

コミュ障OLは豊かに静かに暮らしたい。

早期リタイアの小説ー『れんげ荘』 シリーズ

お金貯めて、仕事辞めたいなーと思う時があります。そしたら通勤しなくていいし、朝早く起きなくていいいし、メイクしなくていいし。

特に大学時代〜入社1年目は、そんなことばかり考えていました笑

そんな時に出会ったのが、女性の早期リタイア小説、『れんげ荘』です。

 

主人公は広告代理店に勤めるキョウコ。

仕事に疲れ果てた彼女は、45歳の時、月々10万円で暮らしていけば、貯金だけで80歳まで生きられる、と計算して、会社をやめてしまいます。

 

そんな彼女が住む、家賃3万円の都内のぼろアパート、れんげ荘に住む、一風変わった隣人たちとのやりとり、家族(母親、兄家族)との関係性、早期リタイアしたことによる自分自身の変化、社会からのみられ方、を細かく描いた小説です。

 

この小説を読んで、 会社を辞めても、社会からは離脱できないんだよな〜、とか、暇すぎるのもどうなんだろう(図書館に行くか、散歩くらいしかやることがなさそう)、とリアルに考えることができました。

 

なので、セミリタイアが人生の目標!という感じではなくなりました。

経済的基盤は必要だと思っているので、貯金は引き続きしてますけどね。

仕事を辞めさえすれば、超ハッピー!!というわけではないことがよくよくわかりました。

 

一〇〇パーセント楽しく過ごせる場所なんて世の中にはない。たとえば会社に勤めているのが、二〇パーセントの喜びなら、時間が自由になる仕事だと、喜びが五〇パーセントくらいといった具合に、喜びの度合いが増えるだけで、完全に毎日楽しく暮らせる場所などないのだ。 


 キョウコは最初は、古アパートの環境に驚きつつ、嫌だった会社勤めから解放されて、気分を新たにした。しかしその気分が新たになったことが、延々と続く日常になると、新たではなくなり怠惰な日々になる。それよりも会社に勤めていたときが、あまりに気分的にひどいものだったので、勤め人に戻りたいとは一切、思っていないのだが、余りに余っている時間をどうするかが、キョウコのこれからの問題である。そして時が経つと彼女を取り巻く人々の状況も変化してきて、彼ら、彼女たちにもさまざまな出来事が起こる。


 いくつになっても、安息の日々はおとずれないなあとため息も出てくるのだけれど、そのなかで自分の好きなこと、楽しいこと、幸せなことをみつけていくのが、人としての生き方なのだ。それなりにどんな場所でも大変なのだったら、いちばん嫌で辛いところからは逃げればいい。しかし生きることから逃げてはいけないのである。

 

シリーズ三作目「ネコと昼寝」刊行に寄せてより抜粋(太字は私が入れました)

 https://www.bookbang.jp/review/article/526062

 

↑の文章に共感する方はぜひ、読んでみてください。

 

『れんげ荘』

『働かないの れんげ荘物語』

『ネコと昼寝 れんげ荘物語』

の三冊が刊行中です。

 

群ようこさんは、子どもがいなくて結婚もしてない女性が出てくる小説を多く書いているので、境遇が似ている人は共感できるかと。あとネコ好きで、よくネコが出てきます。